バイオリンと外宇宙の話 vol.3

keroの目下No.1の趣味・バイオリンのことや、本や料理の話など、外宇宙の話を気ままに綴ってます♪

ハイドン 弦楽四重奏曲第76番「五度」第4楽章

ハイドン・五度、今回が最終回 4楽章です!

印象的なメロディーで始まる第4楽章

YouTubeのカルテットの皆様カッコいい…。

しかし、もちろん私達はこんなテンポじゃ弾けません(笑) YouTubeの再生速度のマイナス0.8くらいです。

このあと2ndがメロディーを担当。ここは2nd的に大変燃えるというか、美味しいところ。

印象的な重音

この1stが単独で下降音型をダブルで弾くところ、非常に面白いところで好きなんです。が、弾くの難しいw 速いテンポだとなおのこと難しいです。

このフレーズとかもそうですが、随所に重音でアクセントを付けるようなところがあります。このへん、構成が巧みだな〜と感心する反面、やっぱりハイドンって1stばっかり難しいじゃん!とツッコミを入れたくなりますね〜。

美しいDdurへの転調

後半180小節目でDdurに転調し、そのまま最後までDdurで終わります。この転調のところでチェロがピタリとお休みになり、上3パートで、時にはバイオリンパートのみでの柔らかいフレーズが効果的。急に天国に行ったかのようになります。

やっぱりハイドンって上手いな〜と思います。

結尾部はチェロがずーっとDの音ばかり弾いていて、ズッシリ安定感がある感じ。

そこから最後はみんなで三連符で終わるんですが、その前のところでチェロが装飾音付きのDを3回弾きます。ここのところ、合奏していて「ん!?今チェロさん何弾いたの?」みたいな感じになって、楽譜を見たら装飾音符だったという。

これが良いスパイスになってるんですな。やっぱりハイドンって上手いな〜とまたもや思います。

大満足の「五度」

カッコ良い曲で大満足!しかも合わせるのがそんなに難しくないです。皆様も是非是非チャレンジを〜!ただ、やっぱり1stは忙しかったですけどね。少しでもテンポアップできれば良いのですが、なかなかね〜。

この曲以外に別のところでやはりハイドンのカルテット「日の出」っていうのをやる予定。なんのかんのでハイドンが続きますが、こちらは見たことも聴いたこともない新曲。幸い2nd担当なんですが、空いた時間で譜読みしなくちゃ。早めに楽譜印刷しなきゃね。

 

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カリンニコフの弦楽セレナーデ

カリンニコフの「弦楽セレナーデ」

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いま東京方面の合奏団で弾いてる曲。来月で終わりの予定で当分弾く機会なさそうなので、忘れないうちにまとめておきまーす。

カリンニコフの肖像

カリンニコフって全く知らなかった作曲家ですが、最近の埋もれた作曲家発掘ブームで脚光を浴びている人らしい。友達から「オケで交響曲やったよー」という話を聞くようになりました。

交響曲は2曲だそうですがこれもなかなか良い曲らしいです。(聴いたことないですスミマセン)

34歳で早逝したそうで、若い頃から貧乏と結核に悩まされたそうです。うーん、お写真も線が細いというか虚弱そうなイメージですね〜。

亡くなったのが1901年ということなので19世紀ロマン派作曲家に分類されるんですかね。ロシアの民族楽派ではないそうです。

この弦楽セレナーデは1891年 (作者25歳)の作曲ということ。

鬱々としたメロディー 弦楽セレナーデ ト短調

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出だしは星のきらめきのようなピチカート。

そのあと、作曲家の薄幸だった生涯を反映してか、鬱々としたメロディーが、ビオラ→2nd→1stと歌い継がれます。

水色のところがメロディーなんですが、パッキリこのパートがメロディーだよ!ってセパレートしないところがこの作曲家の特徴らしいです。ビオラさん大活躍の出だしから始まり、2nd的にも弾いて楽しいところ。

メロディーリレーの次は下2つ(ヴィオラ、チェロ)メロディー、上2つ(1st2nd)メロディーが交互に出ます。わりとどのパートも美味しい曲。

第2主題

↓の楽譜では練習番号Gから1st単独で第2主題を奏でますが、ここからが割と音程難しいところ。

1stも弾いたことあるんですが、sulGが何気に大変でした。

この辺は2nd以下フツーに伴奏形ですね。

練習番号 I を挟んで臨時記号の嵐です。トレーナーの方によると、このへんは主人公・鬱々青年が、夢を見ている、現実逃避しているような場面だそうです(笑)

そして、rit とa tempoののち、また主題と同じ形式でビオラの出だしに続いて2ndがテーマを弾くのですが、また鬱々とした主題が帰って来る!と思わせておいて、ここはGdurに転調してるのです。この曲の中で一番好きなところ。とてもキレイなところです!

もちろん鬱々としたメロディーがあるからこそ転調が生きるわけで。

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最後まで暗く

2フレーズのGdurの希望を感じさせるメロディーのあと、またもや元のGmolに転調して鬱々とした雰囲気カムバック〜。

トレーナーの方の解釈だと、幸せな夢から覚めてまた陰気な現実に戻ったそうです(笑)

その後、最初はピチカートで奏でた星のようなフレーズが全パートフォルテのアルコで再現。いろんな細かい変化球がある曲ですね。

最後はピアニッシモで滅滅として終わります。

暗〜い青年の物語、でした。

この曲と一緒にモーツァルトのK.428をやっているのですが、どうしても古典ばかりだと飽きちゃうからロマン派も変化球で楽しいですね。ブラームスとかドヴォルザークは難しいからめったに弾けないけど。
この曲終わったら次回はウェーベルンの「緩徐楽章」やるという話。これまた大変化球で楽しみです!!

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多肉の受難

多肉植物、相変わらずハマり続いています。

成長と紅葉

毎朝早起きし、ベランダの多肉たちをぼっと眺めて愛でる日々。

ピーチネックレスもだいぶ伸びて垂れてきました!
メルカリで思わず追加購入したルビーネックレスも。まだ全然緑でルビーじゃないですけどね。

セダムもメルカリでゲット(笑) 抜き苗だったのが、あっという間に伸びてきましたよ〜。

リトルビューティーは紅葉が始まりました!

かわいい〜💕

葉挿しと胴切り

でね、一番嬉しいのは胴切りや葉挿しから子株がでたことです!

↓は伸びすぎた黄麗を胴切りしたものから出た子株。

こちらは同じく黄麗の葉挿し。夏真っ盛りの間は葉っぱが黒く変色したり、ジュレてしまったり。涼しくなってきてからようやく2枚だけ子株が出ました〜。残った葉っぱはどうなるでしょう。

こちらは葉挿しした桃美人。

真夏に一気に葉っぱがバラバラになる悲劇があり、落ちた葉っぱ全部土に挿したのだけど、

こっちも2枚だけです。やっぱり真夏の葉挿しは駄目なのね。

家の外壁屋根塗装

秋になって順調に育っていてホクホクしていたのですが、ここで、多肉たちに受難。

家のメンテをだいぶ放置していたのですが、ついに外壁屋根塗装をやることになり、足場を組んでの工事がはじまりました。ベランダ多肉たちは家の中に避難しなくてはなりません。

4週間程度の工事なんだけど、その間日照不足で徒長しないか心配。

足場だけならいいけど、たいていその周りをシートで囲うよね。窓に光が入ってこなくなるんじゃないかしら。

どうしよう。植物用のLEDライトとか買うべきなのかしら〜。

なんて悩みつつ、ベランダの多肉たちをいちおう出窓の一番日が当たるところに置いたんですが…。

おっ!!思ったより暗くない。というか、ちゃんと光を通してくれるシートみたいです。ただ足場の影とかあるから、やはり少しは日当たり悪くなるけどね、想像したより明るくて良かった〜。
しかしですね、そうは言ってもウチの出窓は1日中は日が当たらないので(秋冬は午前中も少しだけ当たるけど)日照不足にはなりがち。水やりを控えつつ風通しに気を配りサーキュレーターかけまくりで頑張ります!

せっかくの成長期の秋で水控えるのはもったいないけど、1ヶ月の我慢。徒長しないようにしなくてはね。

リベンジ・イタリアンパセリ

水耕栽培の方は順調でーす!

9月に種まきしたレタスは立派に育ってもう2,3回収穫しましたよん。

ルッコラとレタスとほうれん草のサラダ。あ、ほうれん草は買ってきたものです。ルッコラは第2弾ですが、こちらも順調。

こちらは夏に育てて失敗したイタリアンパセリ

スポンジ種まきでなくてハイドロボールにバラマキ方式で育ててみましたが、いい感じに育ちそうです。

 

貴重な秋晴れの日に、早く多肉を日にたっぷり当ててあげたい。

工事が終わったら…。ベランダにまた多肉飾れる日が来たら…。

またいろいろ増やしたくなりそうで自分が怖いです(笑)

ハイドン 弦楽四重奏曲第76番「五度」第2〜3楽章

ハイドン・五度、この前の続きで今回は2〜3楽章です!

第2楽章 Andante o piu tosto allegretto

アンダンテというよりはむしろアレグレットで…という指定。

ようするに「そんなにのんびり弾かないで」ってことらしいです。

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プロの演奏、指定されているテンポどおりの演奏ですね〜。

しかしこの楽章は後半1stが忙しくなるので、最初に飛ばしすぎると大変なことになります。わたしはやっぱりアンダンテで練習中です(笑)。すまぬハイドン先生。

メッツァ・ヴォーチェで歌う綺麗なメロディーです!

ハイドンモーツァルトに比べてキャッチーなメロディーが作れないと悩んでいたそうですが、この2楽章は十分キャッチーですよね。美しい。

で、この出だしは難しいところはないのですが…

後半の装飾変奏に入ると、ハイドン先生にありがちな1stばっかり忙しい譜面。練習しがいがあります。弾けるテンポで弾けば楽しいんですが(笑)ここを元にテンポ設定しないとあきまへん。

テーマとその変奏という形式はクラシックの楽章ではありがちなんですが、このハイドン五度2楽章の素敵なところは後半にヴィオラのソロがあるところ!

今まで曇り空の中で咲いていた青い花が、雨に濡れて美しくにじんで見えるような…。

このヴィオラソロで一気に幻想的な色になりますね。

実は前回の練習の時ヴィオラさんがお休みだったので、ここのところ残念ながらまだ未体験。早く合わせてみたいです。

第3楽章 Menuetto. Allegro ma non troppo.

youtu.be

 

美しい第2楽章のあと、突然不気味なメロディー。

なんでもこの3楽章、「魔女のメヌエット」っていうあだ名があるそうです。

2パートでカノン風にずれていく曲だけど、見ての通り「5小節、3小節、3小節」みたいな構成になってるのが何か不安な感じ。「魔女」と言われるとなるほどね、って感じ。

トリオ。ダイナミクスの変化がとっても面白いんです。この辺アンサンブルの息がぴったり合ったら楽しそう。

が、最後の方、1stの最高音がめちゃ高い(汗)

まあ、一気に高いんじゃなくて徐々に上がっていく感じだから何とかなるけど…。

このあとテンポが緩むことなくダ・カーポして、また魔女のメヌエットに戻るところが何気に一番難しいです。

読み解き!室内楽

あ、この前の第1楽章の記事もですが、楽曲の構成などはこちらのチャンネルを参考にさせていただいてます!

最近発見したチャンネルなんですが、今まで弾いた曲、弾きたい曲満載です〜。実際に弾くことを前提にした解説なので、大変ためになりますヨ。

 

このあと第4楽章になるんだけど、これが一番大変かも…。また別記事に取り上げたいと思います!

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チャイコフスキーの妻

チャイコフスキーの妻

キリル・セレブレンニコフ監督

2022年製作/143分/PG12/ロシア・フランス・スイス合作
原題または英題:Tchaikovsky's Wife
配給:ミモザフィルムズ

見てきました〜!!

ヘビーでしたが観て良かった!

何と言っても絵が綺麗。

自然光を生かした暗めの映像で、帝政ロシア時代の人物たちははモノクロの衣装、まるでレンブラントフェルメールの絵を見ているかのようです。

ロングショットを多用、現実と幻想が織り混ざる演出で、部屋のこっち側の現実を映し、そのカメラの視線が隣の部屋に行くとすでに幻想(過去、未来)の世界に変わっている、という演出が鮮やかでした。

でも、見る前から「チャイコフスキーの同性愛から妻が狂っていく」という内容で察していたんですが、エグかった(笑)

なんたって、その、無修正で…。○○○を○○○○○したり(キャ〜)

チャイコフスキーの音楽映画だと勘違いして、間違ってもお子様と観に行ってはアカンです。大人同士でも、付き合い始めた彼氏とか彼女とかと行っちゃアカンかもですな。

あ、ちなみにチャイコフスキーの音楽はほとんど使われてません(笑)

結婚式の後馬車に乗り込む幸せな笑顔のアントニーナに「オネーギン」の手紙の場の音楽が流れるのはグッと来ます。室内楽編曲バージョンですが…。

ケン・ラッセルの「恋人たちの曲・悲愴」

さて、みなさま、1970年制作のケン・ラッセル監督のチャイコフスキー映画があったのをご存知でしょうか?(ちなみに合奏仲間に聞いたらだれも知りませんでした。)

ケン・ラッセル監督は有名どころでは「トミー」の監督。

「リスト・マニア」とかマーラーなど、作曲家の生涯をテーマにした映画とか、バレエファン的にはあのヌレエフを使って「ヴァレンティノ」など撮ってる人。

マイナーなのかしら。このチャイコフスキーの「恋人たちの曲・悲愴」はDVD化されてないんですよね(怒)

わたしは中学生くらいの時にこの映画TVで見たんですが、印象が超強烈で。その頃はチャイコフスキー大好きだったのですが、これ見たあと「チャイコフスキー大好き」とか言いづらくなったもんです。それほど強烈でした。

内容的は今回見たセレブレンニコフの映画と同じく、チャイコフスキーの同性愛と妻アントニーナが狂っていくさまを取り上げてます。

無性にケン・ラッセルのが懐かしくなり、YouTubeを探しまくったら…

なんと!!ありました!!

イタリア語吹き替えで日本語字幕なしなんですが、全編入ってました!!

英語題名 The Music Lovers

なんとチャイコフスキー役がリチャード・チェンバレン!「将軍」とかに出ていたリチャード・チェンバレンですよ〜!

こちらはどちらかというと妻のアントニーナよりチャイコフスキーの視点から作っている感じ。ミュージカル仕立てでチャイコフスキーの音楽もたくさんで、娯楽超大作って感じです。

後半のアントニーナが狂っていくあたりからの破滅的な展開が息もつかせず、こちらも相当エグいです。

1812年」の音楽でチャイコフスキーがファンに追いかけられ、大砲でメック夫人や妻の首が吹っ飛んでいくシーン。今見てもものすごいインパクトです。

ケン・ラッセルさんは2011年に亡くなりました。すごい映画監督でした。(求むDVD〜!)

セレブレンニコフの「チャイコフスキーの妻」

さて、こちらは妻アントニーナは音楽を志す純粋な若い娘として描かれています。(女優さんもかわいい)

妻になり、チャイコフスキーと腕を組んで歩くアントニーナの幸せな笑顔、ネックレスの珊瑚がイミテーションだと指摘されてそっと首から外す様子、結婚後初めての諍いで涙ぐむ様子など、良い妻であろうとする彼女のけなげな様子が描かれています。

結婚にウンザリして旅に出てしまうチャイコフスキー。ここまでアントニーナの心情が細かく描かれていると、たぶん皆「そりゃチャイコフスキーが悪いよね」「奥さん可哀想」って思うんですが、ここから先がさあ大変。

社会的側面

アントニーナがチャイコフスキーの妻であることを偏執的に固執する要因として、この映画では社会的側面と彼女自身の性格的側面の両方を描いています。

教会で出会う夫に捨てられた物乞いの狂い女はアントニーナの未来を彷彿させるし、自分の母親も夫の同性愛が元で捨てられた妻。この時代の捨てられた妻の生きにくさは今とは比べものにならないでしょう。

映画の冒頭にチャイコフスキーが棺から立ち上がり「お前は俺の妻の座だけが目当てだったんだろう」と彼女に言う場面があるんですが、おそらく当たらずとも遠からず。時代が妻の座以外に彼女に選択肢を与えなかったということなんでしょうか。

アントニーナの幻想

離婚を促しに家に来たルビンシュタインに、「こんな有名な人が家に来るなんて…」と有頂天。話もろくに聞かず、もてなしのジャムが気にいるかどうかばかり問う彼女。

夢の中でチャイコフスキーと自分が生んだ3人の子供と写真を撮るシーン。

現実では、3人の子供は弁護士の愛人か、誰とも知らぬ男の間に作った子供。生んだ子供はすぐに施設送りになったのでしょう。しかし、夢の中では天使の羽をつけた3人の子供の父であり良い夫であるチャイコフスキーと自分。理想の幸せな家族。

彼女は、チャイコフスキーが自分の元に帰ってくれば、必ずやこのような幸せな家庭が築けるという幻想から離れることができなかった。

このような要因が絡み合って、アントニーナは奈落へ真っ逆さまに落ちていきます。

鮮やかな幻想

フランチェスカ・ダ・リミニ」の初演に、アントニーナはチャイコフスキーの大嫌いな真っ赤なドレスを着て彼に会いに行き、絶対に別れないと囁くシーンがあるのですが、映画の最後に「実際は二人は離婚後二度と会うことがなかった」とテロップが入ります。

映画そのものが鮮やかな幻想であると監督自ら吐露しているのです。

総じてとてもヘビーだけど良い映画でした。

実はこのあとラヴェルの映画をハシゴしようかと思ったのですが、さすがにお腹一杯になってまっすぐ帰ったのでした。

 

ハイドン 弦楽四重奏曲第76番「五度」第1楽章

ハイドンの肖像

来週からアンサンブルでやる予定のハイドンの「五度」。一度別のところで2ndで弾いたことがあるんですが、今回は1stにチャレンジ。難しいし速くて高い音多いです。

この前ヘンデルって初心者がソロでも合奏でもお世話になるわりには作曲家自身のこと良く知らない〜 なんて言いましたが

ハイドンも実はあまり良く知らなかったりします。

初期カルテットの1番2番などは初心者合奏でも良く取り上げられてたし、この前オケで交響曲の「驚愕」もやったりしたんで、そりゃ〜馴染はあるんですけど。

↓皆が知ってる肖像画(この時代は髪はカツラですね)

調べてみると、ハイドン先生、長生きされたのですね〜。

モーツァルトとは24歳も年の差があるのに、1791年の彼の死後も1809年77歳まで生き抜いた。ナポレオン軍のウィーン侵攻占領下の中で亡くなったそうです。

 

古典派の形式を作った偉大なるイノベーターということですが、好きな作曲家は?って聞かれてすぐ出てくる名前じゃないなあ。(すみません)

指揮者氏が「ハイドンモーツァルトのようなキャッチーなメロディーが作れないことに悩んでいた」と言っていましたが、たしかに耳に残るメロディーがあまりないような…。それが不人気の原因かな?深堀りするとすごく面白いんだけどね。

交響曲の父」って言われてますが、わたしのような室内楽フリークには何より「弦楽四重奏曲の父」。

弾いてみたいカルテット曲が沢山!!なにせ83曲もあるんですから死ぬまでに弾ききれないよう。

モーツァルトハイドン

この「五度」、わたしハイドンのカルテットの中では大変好きなのです。

有名なカルテットって「皇帝」とか「ひばり」「鳥」とか、やたら1stばっかり難しくってあとは2nd以下伴奏形、っていうのが多いですよね。1st弾いているとすごく損した気になるし(笑)2nd弾いてると絡みが少なくてモーツァルトに比べると少々物足りない。

でも、この「五度」はどのパートも美味しいところがたくさんあって、2ndも大変楽しかったし、ビオラさんチェロさんも飽きずに弾けるんではないかな?

で、調べてみると「五度」は1797年作曲というからハイドン65歳の時の作品。

この時モーツァルトはすでに故人…。

モーツァルトハイドンに「どうだすごいだろう」と自慢したくって「ハイドン・セット」と呼ばれる6曲の名曲を作曲したんですが、ハイドン自身もきっとモーツァルトの作品からいろいろ影響受けたんでしょうね。4パートの絡みやテーマの動き方とかそれっぽい気がします。

何よりニ短調の出だしの、表題にもなってる「五度」進行。ニ短調ってモーツァルトになぞらえると「ドン・ジョバンニ」とかK.421のカルテットなんかを連想します。

ハイドン弦楽四重奏曲第76番ニ短調Op.76-2「五度」

どうです、かっこいい出だしでしょう!

この第一主題の五度進行が展開部で、各パートに引き継がれたり絡みがあったりします。

1stはやっぱり忙しいのはやはりそこはハイドン先生。

面白いのは第2主題。

全員が同じ形のシンコペなんですが、これが第2主題なんだそうです。

アンサンブルの良い練習になりそうだなあ。

とまあ、もちろんこのYouTubeのテンポでは弾けないのですが、この前の記事でいった通り設定ボタンのところにピッチを変えずにテンポが変えられる機能があるんですよね。

私達のアンサンブルで弾くと、この第1楽章でいうと0.75くらいのテンポかな?何にしても1stがちゃんと弾けるかが問題ですよね(笑)つまりしっかりしろ自分、てことですが…。

第1楽章の難所

この第1楽章、案外アンサンブルはしやすい曲と思うんですが、最後のところにとんでもない難所があります。

最後の繰り返し記号を出たところです!

まず2ndが8分音符で前の小節から入るんですが、タイでつながっている裏拍なので大変1stに合わせにくい。また、ビオラチェロがそれと交互にこれまた裏拍で入るのですが、これまた大変合わせにくい。

3小節目のチェロも裏拍なんで、ここらへん1st的には足を引っ張られてるような気がしてこれまたムズい。

次回のアンサンブルではこの第1楽章のみなので、おそらくここのところが練習時間の大半を費やすことになろうかと思います。

ここがバシッと決まったら気持ちいいだろうなあ〜。(いや、そう簡単にはいかんと思いますが)

いずれにしても大好きな曲なので楽しみ!次の第2楽章も素敵な曲なんで、それについてもまた書きたいと思います!

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譜読みの武器

楽譜作成ソフトFinale開発終了

わたしkeroが長らく譜読みの武器にしていた楽譜ソフト、Finaleがついに開発終了になってしまいました。

初めてMacintoshを購入した時にさっそく手に入れたのがFinaleファミリーの「Print Music」。

初心者合奏団の楽譜を作ったり、ビオラ譜をバイオリン用に変換したり、MIDIファイルを読み込んでレッスン曲のピアノパートだけ音を出してカラオケしたりと、大変重宝して使っていました。

しかし、オケの曲や弦楽合奏の曲になると流石に手間がかかるので、徐々に使わなくなり…。特にMac版がなくなってからはすっかりご無沙汰してました。

それにしても、ソフト開発歴で40年も歴史があるなんてすごい!

きっと私達が何気なく購入していた紙の楽譜もFinaleで作られたものがたくさんあったんでしょうね。お世話になりました&お疲れ様でした!

Anytuneのすゝめ

さて、最近Finaleの代わりに譜読みに使っているのは「Anytune」というアプリです。

前にもオケの速弾き練習の話で速度を徐々に上げて慣らしていく話をしました。

AnytuneのMac版は有料ですがiOS版は無料です!

一部機能制限ありですが↓からダウンロードできます。

このアプリ、速弾きの練習も良いけれど、初めての曲の譜読みにと〜っても便利です。

昔は新しい曲の譜読みをする時は、

1.CDの音源を聴きながらスコアを見て勉強

2.  その後パート譜のみを見ながら音源を聴いて、わからなくなったらスコアを参照

3.パート譜を実際にバイオリンで弾いてみる。わからなくなったらスコアを参照

4.技術的に弾けないところを練習

という4段階手順を踏んでいました。

Anytuneを使った譜読みの段取り

そこで、音程を変えずにテンポを変える事ができるこのアプリを使うと…。

1.Anytuneで音源を読み込み、ゆっくりテンポでバイオリンで一緒に弾いて見る

 この時、「自分が弾けるテンポで」というのがポイント。初めてだから「超ゆっくり」です。わからなくなったら一旦音を止めてスコアを参照。

 

 

↑の画面だと85%のテンポですね。初めて弾く時はもっとゆっくり、60%とか70%とか。アレグロの楽章だとこのくらいじゃないと弾けない(笑)

2.技術的に弾けないところを取り上げて練習

このように4段階だったのが2段階くらいに短縮できます。

2,3回通して弾くと、だいぶ曲の全容が理解できるという次第。

もちろん休符を数えるのが苦にならない方なら、こんなことしなくても譜読みできるんでしょうけどね。自分は本当に休符を数えるのが苦手でして…。パート譜だけ見て練習しても絶対に落ちます。

それが、このアプリのおかげでかなり感覚的につかめるようになり、だいぶ苦手意識が減りました。

あっ!!そうは言っても、ちゃんと練習中も演奏中も休符は数を数えないと駄目ですよ〜。(つい気を抜くと音だけ追いかけてしまってる自分。いかんいかん。←非理数系)

YouTubeでも同じ機能が

先日アンサンブルでご一緒している方に聴いたのですが、この「音程を変えずにテンポを変える」機能が、なんとYouTubeにもあるそうです!!

CDを所有してなくて音源がYouTubeしかない場合もあるもんね。そういう時には大変便利そう。

で、わたしが発見したわけじゃないけど(笑)得意になってここに使い方を書いちゃいます!

 

YouTubeの画面右下に「設定」のボタンがあります。

そこを押すと「再生速度」の項目が。

標準の他に0.25刻みでテンポを変えることができます。

その他にも「カスタム」のスライダーもあります。

これで自由に、自分の弾ける速度にテンポを変えられます。YouTubeだと、スコア付きの画面も良く見かけるので、これで譜読みしたらすごくわかりやすいですよね!!

もしかしたらコレってもう皆知ってる常識だったりして?

わたしkeroは今頃知って感動したんでここに書かせて下さい〜(笑)

 

ちなみに、Anytuneの方は買い切りの購入をしてProにグレードアップすると、「マーカー機能」が何個も使えて、「繰り返し記号のところ」とか「練習番号◯のところ」とかにマーカーして、すぐ巻き戻したりジャンプできるのが利点かな?ただ音源がミュージックアプリに入ってないとだめですが。

無料楽譜といいYouTubeといい、世の中便利になりましたよね、ホント…。

 

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