バイオリンと外宇宙の話 vol.3

keroの目下No.1の趣味・バイオリンのことや、本や料理の話など、外宇宙の話を気ままに綴ってます♪

弾き納めはテレマンで

テレマン ビオラ協奏曲ト長調

昨日は今年最後のご近所の合奏団の練習。

来年5月の本番に向けて、新曲のテレマンビオラ協奏曲の練習を始めました!

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ビオラの学習者は皆習う曲らしいですね。テレマンといえば多作の作曲家なんですが、ビオラ協奏曲はこれ1曲しか作らなかったみたいです。

出だしからGdurの優しいメロディーを1stバイオリンが歌えるのが嬉しい。
その後、同じメロディーを一段低くて太い音でビオラが歌い出します。トゥッティとビオラソロが交互に出る単純な構成ですが、何かほっとするような、滋味深いというか、懐の深いメロディーです。

テレマンはバッハの死後ヨーロッパで一番人気の作曲家だったそうです。バッハはもちろん素晴らしいんだけど、少々暗くて難解なところがあまり一般に受けなかったそうで…。まあ、分かる気するかな。

テレマンとか息子バッハのエマニュエルくんが当時はメジャーな作曲家でした。息子バッハといえば、クリスチャン・バッハビオラ協奏曲の名曲がありましたね。

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こちらは以前いた弦楽合奏団で弾いたことあります。出だしがなかなかキャッチーな感じで良いですよね🎵

親のJ.S.バッハがメジャーになったのはメンデルスゾーンマタイ受難曲を復活上演した後のことで、「クラシック音楽」という概念もここで生まれたそうです。

閑話休題

1楽章の最後に短いけど印象的なカデンツァが入ります。

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緩 - 急 - 緩 - 急の構成

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2楽章は「急」のところですね。こちらもバイオリンパートが先導したメロディーをビオラソロが受け継いで交互に歌う構造。シンプルで良いですね〜😀 いやあの、ベト8とか練習してるとほんとにもうね💦 ←苦労中

この楽章はシャキシャキ弾くべしとソリスト氏から指示が。

 

第3楽章 緩(アンダンテ)

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この楽章がビオラソロにとってはハイポジがあって難易度高いのでしょうか。

第4楽章 急(プレスト)

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Allegroは快活に、なんだけど、Prestoは速く、だから速く弾かなきゃいけません(笑)

この辺がウチの合奏団的には一番の難所ですね〜。しかし音符自体はそんなに難しくはないのでなんとかなるでしょう。

ビオラの魅力

中低音の魅力は大きい!!私もぜひビオラも挑戦してみたいな〜とは思うんですが、そうでなくても手が小さいので今のところまだトライしてません。

合奏団の人の楽器を構えさせてもらったけど、チューニングのペグまで手が届かない回らないという情けなさ。まあ、全部にアジャスターつけるという手もあるんでしょうけど。

あと、すごく小さいサイズのビオラもあるみたいですが、結局物足りなくなって42センチの普通に大きいサイズに買い替えちゃうという話も良く聴きます。

↓は小さいヴィオラを探して購入した方の話。

ビオラのレパートリーで好きなのは、このテレマンと、先程挙げたクリスチャン・バッハの協奏曲。あと、ブルッフのロマンスなんてのも合奏団でやりました。

ブルッフらしい綺麗なセンチメンタルなメロディーです🎵

 

2026年もがんばります!

さて、来年1月は年明けにライトクラシックからポピュラー曲中心のカルテットのコンサートが一つ、オケの本番がすぐその後。
5月はこのテレマンを含む、メイン曲はホルベルク組曲弦楽合奏団のコンサート

そういえばホルベルク組曲についても色々書きたいです!なので、来年も遅々たるペースですがこのブログをつらつら綴って行きたいと思います💕

多肉を愛でたり、飲んだり食べたり、よしなごともマイペースで。

どうぞ来年もよろしくお願いいたします〜m(_ _)m

 

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バイオリンの不調いろいろ

今年で17歳!

私のバイオリンは2008年生まれなので、今年で17歳です。

購入したきっかけは、その頃入っていた弦楽合奏団のトレーナーの方の紹介。日本人制作家の方のバイオリンが私の購入予算にマッチしたことでした。

新作なのでメンテ知らず。性格は直情型元気くん(笑)。バイオリンの先生にも「パワーがある子」とほめられます💕欲を言えばもう少し色気が欲しいかな〜なんて、自分の腕を棚に上げて話してますが…。

しばらく練習をサボっても、少し弾き込んでいくとすぐに機嫌が良くなりビンビン鳴り出す大変素直な良い子です。

しかしなんと、先月くらいからいろんなトラブルが発生するようになりまして…。

思春期だからかな?グレてるのかな?(笑)

トラブルその1

本番が近づいてきたこともあり、ここんところ割と毎日真面目に練習してたんですが、ある日突然A線を弾くと「ジーン」という振動異音が聞こえるようになりました。

A線だけでなく、G線の「ラ」の音とかでも聞こえるように。

「うーん、これはフィッティングが振動してるに違いない!」と考え、顎当てとかいろいろネジ外して締め直したりしてみたんですが治りません。

困り果てて楽器屋さんに飛び込んだところ、ご主人も「ウーン」と一声唸り。

一つ一つフィッティングを外しては、ボディをトントンして確認。

そうこうするうちに、最後に丸裸wになったマイバイオリン。

 

原因は「気温差や湿気の関係でボディの木が膨らみ、その分魂柱が短くなった関係で異音がした」ということでした!!

うわー、そんなことってあるのか!

新作だと木の膨張とかはオールドよりはあるだろうからなあ。

魂柱交換ということで、すわ入院か!と覚悟したのですが、1時間ほどの作業で済みました。

これが古い方の魂柱です!!こんなもの一本でバイオリンの音が変わるのですよね…。バイオリンの表板と裏板をつなぐ唯一の部品。「魂の柱」っちゅうことですからね。

ウィキペディアによると…。

魂柱(こんちゅう、たまばしら)とは、ヴァイオリン属の楽器において、表板と裏板を直接つなげる唯一の棒である。魂柱により音が裏板まで振動し、楽器全体に音が響くようになる。

多くは弦の張力によって表板にかかる圧力で、裏板との間に挟まれている状態で取り付けられている。楽器によっては接着剤で固定されているものもある。駒より若干下の位置にある。材料はスプルースである。

トラブルその2

さて魂柱を交換していっそうイキイキになったマイバイオリン。

調子よく練習して、明後日カルテットとオケの練習じゃ〜。となった日に、またもや「ジーン」という異音が始まってしまいました😱

うっそ〜、と思いつつ何度もA線を弾いてみてもやっぱりジーンって言ってます。

今まで素直に連れ添ってくれてたのに、何故急にひどい反抗期に…と涙目になりますが、色んなところをいじっても一向に治ってくれません。

またもや慌てて楽器屋さんに駆け込みますが、今回もご主人は「ウーン」と唸り、弦を弾きつついろんな部品をチェック。

そのうちに「これか!?」とおもむろにペグの先にあるポッチをはずしたではありませんか。あれえ、これって外せるものだったんだっけ?とオロオロする私。

もちろん本来外せるものではなく、長年使っていて接着剤が取れてきてたのでした。

この部品だけが動いているのでこれが原因だ、とご主人。接着剤でくっつけ直して弾いてみると、あれまあ、すっかり治ってます。

まさかこんな小さい部品が原因とは…。バイオリンってデリケートなものなんですね。

にしても、すぐに駆け込める楽器屋さんって超重要ですね。フィッティングの緩みとか自分で目を皿のようにして見てても全然気づきませんでした。

私のは新作の子だけど、オールドとかだと色々大変そう…。皆様楽器ケースにダンピットとか入れてますもんね。

うちの子は新作だからあまり湿気とか関係ないし〜 なんて思ってたけど、50%の湿度が最適だということなので、夏冬はこれからは気をつけよう。

楽器17歳の冬に得られた気づきの巻、でした。

 

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秋の多肉たち

色づくエケベリア

つい最近まで暑かった気がするのですが、あっという間に冬が近づいてきましたね〜!

夏の間は緑だったエケベリアたちもだいぶ色づいてきました。

みんな良い色です😀

紅葉するとブラウンになるブラウンローズ。真ん中が緑で色のグラデが綺麗〜。

こちらはエケベリアじゃなくセダムだけど「黄麗(オウレイ)」。その名のとおり黄色く紅葉してます💕

ルビーネックレスは花が咲きました。春も楽しませてもらったけど、秋も咲くんですね。

変わり種の子たち

さて、去年の秋にダンナちゃんとホームセンターに行って衝動買いした、変わり種の多肉植物2種をご紹介します。ちょうど育てて1年目です。

コノフィツム属の「蝶羽玉」

こちらはリトープス属の名無しさん。ホムセンでは単に「リトープス」って言って売ってました〜。
どちらも砂漠や岩場で鳥や虫の食害を避けるために石に擬態しているんですって!
物珍しさで買ってきて一応植え替えしたのだけど、この子たちは、全然伸びたりスクスク育ったりしないんですよね!育てがいがないなあ〜、なんて、棚の隅に置いてほぼ放置しておりました。

リトープスの脱皮と双子さん

しかしですね、実はこの2種類は植物のくせに脱皮するんです!まず4月にリトープスが脱皮を始めました。よーく見たら真ん中から割れ目ができてます。

おお、これが脱皮というものか!と注視しますと、ほとんどの子の中には双子がいるではありませんか。こりゃ一体どうなることやら…と購入後最大の注目wで見守っていたら、それはもうゆっくり、ゆ〜っくり剥けてきまして…。

2ヶ月くらいかかってようやく脱皮が終わりました。(結構長い)
双子になったせいか、前より小さくなったみたいですが…

これが11月の写真。育って、すっかりでかくなりました😁 双子が育った分、数が増えましたよ〜。
こういうふうに脱皮してはどんどん増殖して、鉢いっぱいになる日がくるのでしょうか?

コノフィツムの脱皮と花

リトープスの脱皮が終わった頃、7月にコノフィツムが茶色く変色してきました。

ボロボロって感じ😅 どうしたんだ君、夏バテかね?って思ってたら…

茶色いのが分厚くなってパカッと脱皮。そして中からツヤツヤの緑の子が!

この子も2ヶ月くらいのペースでゆっくり脱皮しました。

コノフィツムの花

無事ツヤっとなったのですが、10月の終わりくらい、ふと見たら花芽がついてました!

こちらは昨日の写真。

秋を通り越してうすら寒くなってきたけど、こんなに可愛い花を見るとぽっと明るい気持ちになりますね〜。

リトープスも花が咲くはずなんだけど今のところ全く気配なしです。どんな花なのか見てみたい!

こちらは9月頃メルカリで購入した斑入りベビーサンローズ。しっかり根付いてスクスク育ってます。こちらも赤い花がポチポチと💕

紅葉だけかと思っていたら脱皮だの秋の花だの、多肉さんたち、いろいろ楽しみのバリエーションがあって楽しい!
10月は雨がちで、いまいち元気がなかった多肉だけど、これから晴れが続くみたい。うちのベランダは冬のほうが日当たりが良いので、みんなキュッとコロッと育ってくれるといいなあ。

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ラヴェンダーの咲く庭で

カルテット・コンサートの曲選び

来年の年明けにポピュラー曲中心でカルテットのコンサートをやることになりました。コンサートと言っても小さい商業施設の脇のイベントスペースで、あまり人が来ないとこらしいですけどね(安心)。

30分くらいの演奏ということで、家にあるポピュラー曲楽譜を探して引っ張り出して来たんですが、なかなか4パート揃ってる楽譜がない。その場でプリントしたものを配られて弾いた曲は沢山あるんだけど、バイオリンパートしかなかったりとか。老人ホームの慰問演奏とか、色んな曲やったんだけどなあ…。
で、4パート揃ってる楽譜で探した中で、ジブリ系の曲とか映画音楽とかライトクラシック系とか皆で持ち寄って、来月初見大会をやって曲決めすることになりました。

ジブリ系も大好きなんですが、映画音楽系で私がとっても好きな曲をご紹介します!

ラヴェンダーの咲く庭で

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↑の演奏は私が持ってる楽譜とは編曲者が違うんですが、きれいな曲でしょう〜!

実はこの曲、フィギュアスケートでよく使われる曲なんです。ちょうど演奏時間がショートプログラムの時間とマッチすることもあり🎵

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これはエキシビションで千葉百音ちゃんが演じたやつ。

この曲は長調なんですが、短調バージョンもあるのです。

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我が押し、町田樹さんの現役最後のショートプログラムです!!

映画の中のバイオリニスト

町田樹さんが2014年にショートプログラムでこの曲を使うという発表を聞いて、早速レンタルで映画を鑑賞してみました。その頃はまだレンタルビデオ、だったんですよね〜。

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イギリスの片田舎に事故で流れ着いた若者。その若者を世話する2人の老女姉妹。その1人が彼に「マジ恋」をする話。

彼はじつは才能豊かなバイオリニストで、やがて彼を待っている新しい世界へ旅立つのですが、そのリサイタルコンサートで弾くのがこの短調バージョン。

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設定上、短調バージョンは技巧的に、難しく書かれてます。ちなみに作曲者はナイジェル・ヘス。バイオリン演奏の音源はジョシュア・ベルです。

映画ではコンサートのあと、成功した彼を取り囲む人々の中から老女たちはそっと立ち去っていく。老女たちが去っていく後ろ姿がフェードアウトしてエンディングロールが流れ長調バージョンの曲が流れます。

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エンドロールでの長調バージョン。ここは涙が出るほど感動します〜。

作曲家のヘスはバイオリン+ピアノの楽譜長調短調バージョンとも出してるんですが、短調バージョンはちと暗くって難しくって、合奏団では長調バージョンが好まれてます(笑)

町田さんが滑った曲なので一応短調バージョンの楽譜もうちには購入してあるにはありますが、実は私もあまり練習してないっす😅

今度演奏する予定の弦楽四重奏バージョンはヘスの楽譜を日本人が編曲したものです。

フィギュアスケートの名演も相まってか、あと古澤巌さんが弾いてたりするせいか、これやろうと提案したら曲を知ってて、「あの曲綺麗でいいですね〜」って言ってくれる人が多くって嬉しかったです♪ 映画自体はマイナーなのにね〜。

演奏のポイント

今回は最近の曲でもあり編曲者の著作権もあり、楽譜を載せられないのですが、この曲の演奏のポイントというと、とにかくメロディーの歌い方かな〜。

どういうわけか私は今回1stを弾く羽目になったので💦 音が切れ目なく滑らかにスラーでつながってること。ビブラートの質を高めること。を死守、かな〜。ドキドキですが、まだ本番まで2ヶ月くらいありますので、のんびり練習してみます!あ、こういう時有効なのは、とにかく練習を録音!!録音!!録音!!です。

何事も経験だ!←自分に言い聞かせてます (爆)

 

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東京バレエ団「M」


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初演から32年

東京文化会館が来年5月から3年間改装工事に入るそうなので、東京バレエ団の演目を最後に何か見ようということで、モーリス・ベジャール振付の「M」をセレクト。ウィーン国立歌劇場のオペラもそそられますが高いしね😅

実は私、この作品32年前の世界初演の初日に見に行きました!
そしたら、大学時代に文学ゼミでお世話になった奥野健男先生に会場でバッタリ。

奥野健男先生は三島由紀夫の研究者で大変有名で、ゼミではほぼ1年かけて「仮面の告白」の分析したり、私のゼミの卒論も「三島由紀夫モーリス・ベジャール」でした。Mの発表より数年前ですよ!偉いぞ自分(笑)

↓こちらが奥野先生の著書。

初演にはベジャールさん、作曲の黛敏郎氏もカーテンコールで出てきました。そのお二人もすでに亡く、奥野先生もすでに亡く。今となっては懐かしい思い出です。

当時もNHKテレビ放映をやって、VHSビデオに録画して楽しんでいたんですが、今や見られなくなってしまい…。

ところが、検索してみたらYouTubeにアップしてくれている方がいるではありませんか。

初演のキャスト、シ(死)が当時ベジャール・バレエ・ローザンヌ小林十市さん。聖セバスチャンが首藤康之さん。懐かしい〜!!

 

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最初の15分間が命

というわけで、行ってきました!

10月21日日曜日。会場にはNHKのデカい中継カメラが。11月にNHKプレミアムシアターで放送するそうです。嬉しい〜🎵

今回改めて見て、「ええ!なんだか自分が昔見たのと違う気がする!演出変えたのかな!?」なんて思ったんですが、YouTubeと比較したら全く同じ振り付け・演出でした。変わったのは自分の方の感じ方で、おそらく自分が32年分「死」に近づいたからかもしれませんね。

 

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ベジャールさんのバレエをかれこれ45年くらい見ていますが、とにかく幕が開いて最初の15分間が最重要!!

どの作品でも、つかみというか「おお!こう来たか〜」という驚きと衝撃が半端ない。

多作の人でしたからおそらく振付作るのが早く、それ故、中盤辺りはいつも荒いかな〜、なんて感じたこともありましたけどね。それを補って余りある演出力と発想!本当に天才って思います。このMも練習のため来日してわずか1ヶ月で作り上げたということです。

衝撃の出だし

潮騒の音で幕が開くと、「海」に扮した女性たちがまるで菩薩のようなポーズで3列に座っている。照明の効果でひな壇に座っているように見えますが、実は平らな舞台です。


次々とポーズを変え、口に指を当てる。この間ずっと音楽はなく潮騒の音で、良く全員でピタリと動きを揃えられるなーと感心します。前回気づかなかったのですが、この口に指を当てる仕草はのちのち出てくる「シ(死)」のモチーフと呼応していたのではないか。「豊穣の海」をイメージさせられるシーンです。

ようやく音楽が鳴り始め、舞台のオケピットの下から、学習院初等科の制服を来た少年三島が日傘をさした祖母に手をひかれ登場します。

海辺を散歩する二人ですが、そのうち少年が「イチ、二、サン」と言いながらぴょんぴょんとジャンプ。すると、祖母だった人物が着物をさっと脱ぎ、白塗りの青年の姿に変身して「シ!」と続けます。

この、祖母が実は「シ(死)」であった、ということが三島の「仮面の告白」などを読んでいる者にとっては重要かつエモーショナルなところです。

祖母である夏子は三島の母から生後すぐに赤子を奪い取って、自身の「病気と老いの匂いにむせかえる祖母の病室で」大切に過保護に育てたという曰く付きの祖母。「彼女は狷介不屈な、或る狂おしい詩的な魂だった。痼疾の脳神経痛が、遠回しに、着実に、彼女の神経を蝕んでいた」
海に扮した女性たちはケラケラと笑いだし、童謡を歌いだします。

「一かけ、二かけ、三かけて、四かけ五かけで橋かけて…」

西郷隆盛とか切腹とか出てきて妙に耳に残る童謡なんですが、プログラムの高橋典夫さん(バレエ団専修理事)によると、ベジャールは日本語の歌詞の意味を知らずにリズムを頼りに選んだということ。びっくり!

この曲に合わせて、大きな箱の中に三島少年を入れて、扉を開けると少年が消えているというマジックが「シ(死)」によって行われます。マジックによって再び現れた少年は般若の仮面を被っています。

三島の少年時代からの悲劇的なものに対する偏愛(紺の股引を履いた汚穢屋、矢の刺さった聖セバスチャン)、「鬼っ子」である本質は「死」である祖母から生まれてきたものだという…。初演の時の衝撃が今でも思い出されます。

プログラムに寄稿している織田紘二氏は、「Mの真の勝利者はN=夏子(祖母)ではなかったか」と書いています。夏子は身分の低い夫(三島の祖父)に嫁いできたかなり身分の高いお姫様だったのですが、結婚後自分に性病を感染させた夫を憎しみ蔑んでいて、無意識に復讐をしたのではないか。

うーん、いろんな解釈が出来るし、あとから考えるとああでもないこうでもないと色々想像が…。もう一回「仮面の告白」読んでバレエもまた見ないと。とても一回じゃ整理できませぬ。

三島の分身四人と聖セバスチャン

そのあと海上の月として白いレオタード姿の女性(三島の母のイメージらしい)、三島の分身としてイチ、ニ、サンが登場。この3人と「シ」を合わせての四人が三島の分身として出てきますが、そのイメージは「鏡子の家」の中の四人の登場人物から来ているそうです。

私好きなんですよね、鏡子の家。ボクサー、美青年の俳優、日本画家、商社に勤めるエリートサラリーマンの4人が出てくる話です。

ちなみにこのバレエの四人は「言葉、精神、肉体、行動」を表してるそうです。誰がどれだか想像するのも楽しい。

聖セバスチャンの登場

このあと弓道の射手が登場。長ーい沈黙(5分とか10分くらいあった?)の中、ゆっくりと作法に則って弓矢をつがえ、舞台上手に向かって射るのですが、その間音楽も効果音も全くなし。

このバレエ、無音のシーンが異常に多く、またオリジナル音楽(黛敏郎)自体も「ハァ〜、ポン!!」みたいな感じで、全体に能の影響を強く感じます。ザ・カブキは歌舞伎だからもっと大河ドラマのテーマみたいなわかりやすいもんだったけど、こちらは相当難解。踊り手がアンサンブル合わせるのがすごく大変そう。でも流石東京バレエ団、ピッタリ合った素晴らしいダンスを見せてくれました。

弓矢が放たれたあと、舞台真ん中の標的から「聖セバスチャンの殉教」の絵とそっくりの人物が登場。

分身四人と聖セバスチャン(三島の憧れ、エロスの象徴)の五人によって、三島の代表的な作品が描かれていきます。

「禁色」「午後の曳航」「鹿鳴館」「鏡子の家」「金閣寺」「豊穣の海」

少年役にブラボーを

どの場面もすべて少年三島の思い描いた幻想として描かれているのですが、この少年役が出ずっぱりでかなり大変。東京バレエ団のジュニアクラスの生徒さんなんだと思いますが、セリフもあるしリフトで持ち上げられるし、3日間の公演大変だったでしょう!ブラボーものです。

最後、楯の会のメンバーも登場し桜の花びらが舞う中、三島が自決(扇で顔を隠す)するのですが、この「少年三島の思い描いた幻想」という視点により、批評でも肯定でも否定でもない、一つの美しい絵として描いています。音楽はトリスタンとイゾルデの愛の死

↓Mのプログラム表紙

横たわった少年の身体から赤い紐が出て(血なのか、生々しいが腸なのか)それを「シ」が舞台中央に出てきた登場人物に絡みつけていきます。フランス語のシャンソン「ジャタンドレ(待ちましょう)」が流れるのですが、ここは元は淡谷のり子の「別れのブルース」が候補だったそうな!(いろんな裏話をプログラムに書いてくださった高橋典夫さんありがとうございます。)

そして再び少年は起き上がり、最初の海の場面へ。祖母に手を弾かれ潮騒の音とともにオケピットに消えていく。かくして「豊穣の海」に書かれた通りの輪廻転生、生から死、死から生へと完結したドラマでした。

「M」とは

プログラムには「M」とは、Mishimaであり、海(Mer)、変容(Métamorphose)、死(Mort)、神秘Mystère)、神話(Mythologie)であると書かれていました

しかし、私にとってはMagicでしたね!!なんという美しい絵に満ちた舞台、シャープなテクニックのダンサーたち。静と動。一時も目を離せない緊迫感と静寂とドラマに満ちた100分でした。

そして、ダンサーが上手い!!32年前に見た時も良かったけれど、よりソロも群舞も、女性ダンサーも男性ダンサーも粒ぞろい!やはり見に行って良かった〜!!

三島の小説を読んでないとわからないと思われがちですが、全然そんなことはありません!もちろん読んでる方が想像力が刺激されるかもしれませんが、ダンス作品として面白いし、誰が見ても引き込まれる名作だと思います。

興味の有る方は11月17日、NHKBSのプレミアムシアターを忘れずに〜!

 

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ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第3番 op.18-3 ニ長調

実は一番最初に書かれたop.18-3


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ふんわり明るく始まるベートーヴェンのop.18-3。

弦楽四重奏曲op.18の曲集の中で、実はこの3番が一番最初に書かれたそうです。つまり、こないだの2番とか昔やった1番とかよりこちらが先と。

イノベーターであるハイドンモーツァルトの作品をよーく学んで糧にしつつも「オレはもっと新しいものを作るゾ」と燃えていた若き頃の作品だったのですね。

燃えてたベートーヴェン若き日の肖像です

意外と苦戦

東京の合奏団では、2番のあとにこのベートーヴェン弦楽四重奏曲3番の練習が始まりました!2番がわりと楽しくサクサクと進んだので、こちらも楽勝かと思いきや…

なんと、だいぶ苦戦中です!!

なんだろう、なぜだろう。

皆に感想を聞くと、「1楽章は出だしのところの伸ばす音がテンポ感がつかみにくい」「4楽章が拍を錯覚させるような凝った作りで、しかも早くて無理」てな感想でした。

モーツァルトハイドンセットを彷彿とさせるわかりにくさ」というご意見も😅 まあ〜、やはりベートーヴェンイノベーターからいろいろ取り入れて勉強したのでしょう。

 

さ〜て、第1楽章から順に譜読みしていきましょう。

第1楽章

この一番最初の全音符で始まるメロディーラインが、ファースト、ビオラ、セカンドの順に出てきます。(緑のマーカーのところ)ここのところ、パートによって長さがまちまちになってしまったりするのが修行の足りない我々のミスしがちなところ💦

トレーナーの先生によると、常に八分音符を頭に刻んで弾くべし、とのこと。3小節目からの1stさんの八分音符のメロディーをちゃんと体感しておかないとバラバラテンポになってしまいます。

そのあと17小節めからの、ファースト単独で4小節のフレーズが、なんだかパズルみたいなメロディーなんですよね〜。

高い音の位置が小節ごとにズレて、「あれ、どこで区切りめが来るんだ?」と錯覚が起こるので、赤線の小節の前の2nd以下3パートが大変入りづらい。

その後、27小節目からは2nd、ビオラの刻みが入るのでだいぶ掴みやすくなりますが、ここまでが鬼門なところ。見た目や聴いた印象は簡単そうなんですがね〜。

 

次の第1主題の展開部ですが、緑のマーカーの2ndの部分は大変美味しいところです。張り切って弾いちゃうぞ〜!!簡単だし〜!!みたいな(笑)

それに対してファーストがピンクのマーカーの3連符を入れるんですが、こういうところが盛り上がる要素、というかテンション上げる技法なんですかね。

全員3連符フォルテッシモで、再現部に続きます。

sulGの2楽章

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美しい2楽章の出だし。ここは2ndが歌うんですが、sulGという指定があります。どこまでG線なのお?と思うんですが、私は8小節目のB♭で根性足りずにD線に転んじゃいますw

そのあともファーストと2ndの掛け合いを中心にゆったり音楽は進んでゆき…

後半は1stとビオラのかけあいあり、全員で六連符を演奏したりシンコペしたりで、最後はスモルツァンド

ちなみにスモルツァンドは、だんだん弱くしながら遅くみたいな意味で、rit.+dim.みたいな感じです。

この2楽章は割とあっさり通りました。みんなさすがハイドン・セットをコンプリートしただけあります。(笑) ベートーヴェンとかモーツァルトのこの2楽章系のパターンは慣れてる感じです。

楽しい第3楽章


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軽快でノリの良い第3楽章。33小節目からの緑のマーカーの掛け合いのところなど楽しいですよ〜。

この曲、3楽章だけどメヌエット(またはスケルツォ)、トリオ、ダカーポしてメヌエット、という構成じゃなくて、Allegro、Minore、Maggioreという構成になってます。なぜだろう?なぜかしらん?(どなたか教えて下さいまし)

大変な第4楽章

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いや〜忙しい、忙しい!

「Allegro」だったら快活なら少しくらいゆっくりでもいいじゃん!てなるけど、Prestoだとそうも言ってられませんしね。もちろん私達は弾けるレベルでなるべく速く、ですが…。

冒頭、1stのメロディーを追いかける2nd、ノリが良ければなんとか調子よく行きます。

経過部、2ndの刻みが重要。50小節目のこういう皆で弾くリズムのところが息が合うかどうか。…と困難をいろいろ乗り越えて第2主題へ。
まあどんな作品でも第4楽章って忙しいんですが、この曲は特に忙しいですねw

展開部の掛け合いは比較的簡単かな。

そこからクライマックスへ突入。

前半も出てきますが、このような1stの畳み掛けるようなフレーズがすごく印象的です。1stさん、楽しそうなところだけど大変そう〜。(なんて言ってると明日は我が身だったりしますが)

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再現部、コーダを経たあと、最後はあっさりppで終わります。

ベートーヴェンなんだから

明るく溌剌としていて、18-2をやったのだから出来るだろう!なんて考えて選曲したのですが、意外と苦戦中のこの曲。
ベートーヴェンなんだから、楽して弾こうなんて考えがそもそも間違ってるよね。大汗かいて弾かなくっちゃね〜」とはトレーナー氏のお言葉。ま、そうなんですけどね(笑)

いちおうこの東京方面の合奏団では、ベートーヴェンop.18の6曲コンプリート目指してます!あとやっていないのは5番と6番か。

他所でやった時は難しいな〜って感じたけど、2度目だから少しは弾けるようになっているかな?少しワクワク。しかし、それが終わると弾ける曲がないなあ。どこへ向かえば良いのでしょうか、我々未熟合奏団はw

 

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夏バテ多肉とアジュガの今

エケベリアの夏バテ

暑い夏も今週で一区切りつくみたいです!そうは言っても、まだ30度とかの日もあるみたいですけどね😅

遮光しているとはいえ暑いベランダで多肉たちもよく夏を乗り切ってくれました〜。

しかし、流石にこの猛暑。

春にはこんなに綺麗だったライムグリーンさんが…。

黒いゴマみたいな斑点が出てしまいました!最初虫でもついたのかと思いましたが、高温障害らしいです。

根本に子株が育ちつつあるのが不幸中の幸い。根っこはしっかりしているので、春までには少しでも育ってくれると良いのですが…。

焼け野原のセダム

消えてしまったセダムも多数…。

黄金〇〇系は今年は皆焼け野原になってしまいました😢

去年は元気だったんだけど…。大きい鉢にしたのが悪かったのかも?

ってことで、小さい鉢に植え替えてまた増殖を試みていますがどうなるか〜。

セダムとか成長の早い子はしょっちゅう植え替えたり仕立て直しをしなくちゃいけないので意外と面倒だということがわかってきました。もともとエケベリアが好きなんで、もう少しエケベリアを増やそうかな〜。

な〜んて、ハッと気づくとまた買おうとしてる自分。もう置き場所ないんですが…。どうする、自分(爆)

アジュガのその後

さて皆様、去年の秋に私がアジュガを買った話は覚えてますでしょうか。いや、もちろん覚えてないと思いますがw

購入したときはこんな感じだったのですが…

その後あまり育つこともなく、元気ないな〜と思っていたら冬になって徐々に葉が枯れてしまいました。

購入したのが外壁塗装が終わった11月中旬くらいでしたから、ちょっと時期的に遅かったのかな。でも説明を読むと冬は強いと書いてあったのですが、我が家のベランダには合わないのかなあ〜と放置していたら。

3月になると新芽が出てきました!

おお〜と思って見守っていたら今度は花芽が!

冬の間は一度枯れるみたいですね。

バーガンディ・グロウとダーク・マホガニーという2種類なんですが、そのうち花が立ち上がってきれいな紫の花が🎵 花が咲いたのはバーガンディ・グロウの方ね。

と、同時にどちらもビヨーンとランナーが生えてきて繁殖の兆し。

この写真が4月はじめの写真なのですが…。

これが5月中旬。

すごい繁殖スピード!!

これが7月。秋はそんなに育たなかったのに、春の花後の勢いがものすごい〜。

逆に言うと、増やそうとしたら花の咲いたあとの1,2ヶ月を狙ってランナーを根付かせれば良いわけですね!この子は玄関周りに置く植物候補なので増えたら嬉しい。果たして自分がちゃんと世話できるかどうかは置いといて…w
しかし、バーガンディ・グロウのほうが葉色が好きなのに、ダーク・マホガニーのほうが繁殖力強くって、同じ鉢だと完全に他を駆逐しそうです。

で、9月になるのを待って鉢増ししました。

3鉢に増えました〜。

鉢はセリアで買った100円のプランター。これなら重くないし、老夫婦の我々でも移動も簡単です。アジュガは日陰に強いということで欲しくなったのですが、我が家の玄関先の、冬はあまり日が当たらず夏はカンカン照りという環境でも、鉢なら移動すればなんとかなりそう。

去年から気まぐれに始めた園芸ですが、植物ごとにいろんな特徴があってなかなか楽しい。

楽しいんですが、多肉は特に増やし過ぎに注意しなくては。コレクター魂がそそられちゃうんですよね〜ついつい。😅